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第136回
 スタジオジブリ」の社長でありプロデューサー、鈴木敏夫氏の発言は問題と思われる。
 「サイゾー/2006年11月号」(インフォバーン)に、鈴木Pによる『ゲド戦記』の不評に対する反論が掲載された。

 内容は思わず唖然とするもので、筆者も参加した「ヤフー」のゲド戦記批評を、たった数人による工作に過ぎないので、ジブリは何の反省をする必要も無いというものだ。
 数人による工作となると、間違いなくヤフーに記載した筆者と数人だけとなるが、ならばあと数人とは一体誰なのだ???
 要は「ヤフーレビューは数人の捏造」というのが鈴木Pの主張で、『ゲド戦記』は「大衆に受け入れられた」というものだ。だから「あんなもの(ヤフー)は影響力もないし痛くもかゆくもない」と仰っているわけだが、思わずオイオイである。

 そこで、サイゾーの編集が、「5300人以上が書き込んでいるし、Yahooの映画掲示板でのユーザーレビューを見る限り、5点満点中2.36点(10月5日現在)が数人ってことはないと思いますが、そういうだけの証拠があるのですか?」と聞くと、「それはマスコミが調べるべきだ」と居直った。というか逃げたというべきだろう。
 さらに鈴木Pは、海外のマスコミ批判については一切触れず、「ベネチア国際映画祭では大絶賛だった」と自画自賛。さらに「びっくりするくらいの絶賛でしたね。終わらないんですよね、スタンディングオベーションが」って仰る。
 しかし、現実はどうかというと、ヨーロッパの新聞各紙は、ジブリ版『ゲド戦記』に対して完全ブーイング。頼みの綱だった韓国での上映も燦燦たる結果で、世界中で成功したのは日本のみ。
 それも、ブランド志向(神話)で動く叔母様たちが、テレビ宣伝にだまされて上映館に子供をつれて足を運んだ結果だ。

 そこで記者が「おすぎも、大っぴらに『ゲド戦記』バッシングをしてましたね。」と切り返すと、鼻で笑うように「あの人は、毎回毎回言ってるの。ぼくは無視してます」とせせら笑う。
「ただ今回、原作者ル・グウィン氏からの批判がネットで公開されましたし、 原作者から、そういう不満の声が出るというのは想定内だったんですか?」と突っ込むと、笑いながら「そんなの、あったりまえじゃない! もしぼくが原作者でも、よく言うわけない」と全くの唯我独尊。

 筆者の所見を述べれば、こういう社長のいる会社は、「雪印」より悪質で、「パロマ」より許しがたく、当時の「三菱自動車」より程度が低い。
 それよりも鈴木さん、あんたって宮崎駿氏の実力に乗っかり、担当というだけで伸し上がっただけの人間でしょう。
 やはり反省なきジブリは完全に終わったようだ。
(06/12/15)
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