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第105回
 日本では、1999年7〜8月で、ノストラダムス本は一派一絡げで書店から排除された。その理由は、世界が滅亡しなかったからである。しかし、これはよく考えてみるとおかしな話である。
 日本人が好んで使う“自粛”という一種のヒキコモリ因子がなす業なのかもしれないが、言葉を変えれば、日本人のほとんど(書店の店主を含め)が、「五島勉教」という宗教の信者だったことを意味する。1999年に人類が滅亡すると信じていたのだから立派な信仰の一つである。
 だからこそ、人類が滅びなかったのでノストラ本の一斉排除に乗り出したともいえる。まさにオウムを書店やTV界から排除したのと同じ理屈だ。多くの日本人は五島説を深く信仰しており、もはや宗教化していたとも解釈できる。

 何度も言うが、ノストラダムスは1999年に人類が滅亡すると一言も予言しておらず、そう断言したのは五島氏であり、完全な解釈ミスだった。
 あの4行詩の意味は、1999年の前年(1998年)にハルマゲドンへの布石が打たれ、1999年の後(2000年)に平和への美名の盾(対テロ戦争)が本格化することを告げたものだ。

 さらに、ノストラダムスは西暦3797年までの予言を残している。つまりこれは、人類が復活して神の前に立って裁かれる「最後の審判」の年なのだ。 最後の審判が終わった後は、完全に神の領域となるため、予言は一切無用となる。だから3797年で予言は終了する。つまり、この年で審判が終了するのである。
 最後の審判が何百年つづくか分からない。アダム以降の全人類が裁かれる以上、それなりの時が必要だろう。
 聖書学的にいうと、この審判の前に1000年間の「福千年」があり、その前に「ハルマゲドン(最終戦争)が起きるとある。産みの苦しみの前に起きる、世界規模の最後の大戦争という意味だ。
 そのハルマゲドンの後、メシア(救世主)の再降臨があり福千年に入るが、さらに福千年と最後の審判の間には、全ての人間が復活体を得た後に起きる、サタンによる最後の闘いが起こる。
 勿論、最後はサタンが敗れて穴に落とされるのだが、その闘いの年数は不明である。
 これらを時間経過をさかのぼり逆算すると以下のようになる。(あくまでも目安なので念のため)
 3797年/「最後の審判」が終了し、地球は光の世界に突入する。
 3XXX年/「最後の審判」が開始される。
 3XXX年/サタン勢力が最後の闘いに挑む。
 2XXX年/1000年間の「福千年」が始まる。
 20XX年/イエス・キリストが再降臨する。
 20XX年/ハルマゲドン(最終戦争)が勃発する。

 日本以外の欧米各国の先進諸国では、今もノストラダムスの予言は健在であり、生活の指針にされている。
 いくら「オウム事件」があったとはいえ、1999年8月以降に日本で起きた、異様なまでのノストラ本排斥気運の中に、日本人のほとんどが五島勉教という宗教に首までドップリ浸かっていたかが分かる。
 オウムが利用したことへの反省といえば綺麗に聞こえるが、実は闇雲に復讐したに過ぎない。

 しかし、今年、講談社から新芽が出てきた。筆者の子供を対象に書いた『ノストラダムス』(火の鳥伝記文庫)が3月の段階で増刷されることに決定したからである。 その文庫の中で、筆者は明確な言葉で1999年に世界は滅亡しないと明記しておいたが、おそらくこれが増刷の重要な決め手の一つになったのだろう。
 2005年になった今、五島勉教に汚染されていない子供たちが現れてきた。そのことは、ノストラダムス自身にとっても、予言詩にとっても喜ばしいことだ。
(05/04/15)
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