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| 第86回 |
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NHKの「変革の世紀」第2弾を見ていて一つ驚いたことがある。
番組はアメリカ軍がソマリア侵攻の際に起きた大失態を反省に、組織を完全に改革(変革)してしまうことを中核として進められていく。
米軍はソマリアの街中に墜落した軍用ヘリの兵士を救出しに、数台の軍用車を街中に派遣するのだが、敵のゲリラ集中攻撃で散々な目に遭ってしまうのである。その原因は、従来のトップダウン方式における命令系統システムだというのだ。
救出部隊は、街中を縦横に走る道をあっという間に行き過ぎてしまい、いつまでたっても目的地のヘリの墜落位置まで到達せず、その間に地の利を知るゲリラの集中攻撃に遭ってしまうのである。
しかし、アメリカ軍のトップは、軍事衛星や軍用機でヘリの落ちた場所や情報を詳細に知っていたのである・・・・知らなかったのは現場の兵士たちだけだったのだ。
つまり最も必要な情報が現場に届かなかったのである。命令伝達系統を通して、やっと必要な情報が現場に届いても、その時は軍用車が何ブロックも道を行き過ぎた後であり、引き返しても同じように情報がトップダウンで降りてくる頃には行き過ぎてしまうのである。
その時の反省から、アメリカ陸軍は2年先までにトップダウン方式を完全に廃止することを決定したというのだ。つまり現場の兵士たちに衛星や軍用機からの情報がリアルタイムで降りてくるシステムに変更するのである。
そうなるとミサイルを発射する時の判断も、上官の許可は不必要になる。答えを仰いでいる内に戦況は刻々と変化して行くからだ。こうなると兵士一人一人が自己責任において的確に判断を下して作戦を遂行することができるのだ。
上層部は、現場の判断が交錯したり同士討ちをしないように管理し、膨大な量の情報を凄まじい速度で処理して末端の兵士に伝達する作業を行うことが中心になる。
よって従来のピラミッド型のシステムは崩壊するのだ。それに代わって登場したシステムは、一見すると何が何か分らないような経路の走るシステムとなる。
このようして、大量生産方式を生み出したヘンリー・フォードによって完成した、トップダウンにおける中央集権型ピラミッド方式は完全に崩壊し、アメリカは末端の人間が自己責任で正確な判断を下す時代へと突入して行くのだ。
その先陣を切ったのが、これまたフォード社なのである。会社のシステムを逆ピラミッド型に代えてしまうという。アメリカが凄いのは、その難関を期限を決めて遂行してしまうことだ。
さて、ここからが本題である。
アメリカ軍が構築した新しい21世紀型システムというのは、三叉から始り中央部に全ての経路が集中し、それを左右の脇が固めて行くという経路システムなのである。
そう、そのシステムの図表は、基本的に「生命の樹」の構図そのものなのである!
おまけに、基本経路を突破する斜めの経路までついている。私はそれに驚いたのだ。
アメリカは、軍事面にしても企業面にしても、もはや21世紀を生き延びる為には、この経路をもたないと国が滅びるとまで考えているようだ。
もはや巨大なピラミッド型構造しか持たず。全てが縦割り機構でしか動かない国に未来は無いようだ。■
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| (02/05/19) |
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