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第53回
 今の日本人が駄目になったのは霊的堕落が原因と断言していい。
 霊的堕落とは神仏を崇めないことが中枢にあり、そこから波及して他人の命を軽んじる行為、先祖を大事にしない行為、墓参りを行わない行為、教育現場を無神論で徹底する行為へとつながり、一旦、坂道を転がり落ちたら最後、そういう霊に制御する能力は全くない。
 結果どうなったかというと、「バブル」という化け物のような超経済的利益を、堕落した霊(霊力)が支えきれず、足元から崩壊していったのである。劣化した霊に先見の明などは一切ない。
 それでも金銭を神とする「拝金主義」はおさまらず、借金に借金を積み重ね、国民一人当たり七百数十万円の謝金を背負わせても平気な国家が出来上がった。それを牽引した霞ヶ関の官僚は、いざとなれば国民一人一人にその借金の返済を命じることが出来る。
 日本経済が本当に追い詰められた場合、霞ヶ関は失敗の付けを必ず国民に回すのが常道だ。
 赤ん坊を含む借金の分納を「特別借金支払い書」として税務署から全家庭・個人宅に配布し、払えなければ家土地財産を差し押さえ、月給からも天引するのである。
 かといって年金・地方税・健康保険等が免除されるわけではなく、そこへ50年という範囲で、表面的には低姿勢で「国民に対してお願いする」形で施行される。
 一月平均一人十数万円として、家族が多い場合、その数だけ比例して上乗せされ、すぐに払えない子供は18歳に達した段階から、年金と同じように一生の間支払いの義務を負う。
 すると当然の結果として少子化を是とする人たちが多数現れ、子殺しや姥捨て山が日本中で横行するだろう。
 それでも革命や一揆など日本では起きない。奴隷根性が徹底しているからだ。いざとなれば機動隊が出て押さえ込めば日本人はすぐに大人しくなる。
 かくして霞ヶ関は安泰となり、官僚は特権を謳歌して最後まで生き残れるのである。税金を支配しているため、いざとなればいつでも外国に家族で逃げ出すこともできる。
 こういう国を神が救うとは到底思えないだろう。しかし、ある意味これが今の日本と思えば分かりやすい。
(10/10/05)
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