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第50回
 多くの日本人の頭の中には、未だに「Japan As Number One」が残っているようだ。
 これは一種の汚染と言ってもいいだろう。現実は全く違うからだ。個人のGDPはとっくに19位に転落しており、これからも転がり落ちていくだろう。
 一方の国のGDPも、今年の末には中国に2位の座を明け渡すとされ、さらに4位、5位と落ちていくのは目に見えている。にも関わらず、日本は大丈夫と思っている国民が異様な数に上っている。
 が、既に多くの企業は日本の大学生の採用に見切りをつけ、海外(特に中国・インド・韓国・他)の優秀な人材を求める動きが加速している。
 要は、日本企業は大丈夫でも、日本人はアジアでも貧乏層に落ちていくということだ。
 そんな中で、大企業は、肉食系ではない「草食系」、マニアル重視の「ゆとり世代」、社会的不適格者の「ヒキコモリ」を無視する動きを見せ始めている。
 英語のヒヤリングもできない大学生、海外派遣を嫌がる若者、叱るだけで欝に落ち込む子供大人を教育するより、既に完成しているアジア・世界各国の大学生や、優秀な人材にシフトするということだ。
 にも関わらず、Japan As Number Oneから頭の切り替えの出来ない日本人を、アメリカのシンクタンクは軽蔑を交えてこういう。「パラダイス鎖国!!」
 頭だけがパラダイスで、世界に取り残され、没落するしかない民族の意味だ。
 事実、1700兆円の個人資産を抱えていながら、日本人は経済に金を回さない。そのためデフレスパイラルが加速し、最後は自分で自分の首を絞めながら沈没する。
 これを造語で「タイタニックスパイラル」とでも命名しておこう。
 先の「太平洋戦争」も同じだが、原爆を落とされ、落ちる所まで落ちないと、日本人は舵を切ったり改めることも出来ないようだ。
 どうやら「蘇民将来」とは、地獄の底の底まで落ちた後の反応ということになる。その意味で、今の日本人の落ち方はまだまだ中途半端で、これから更に落ちていく意味になる。
(10/08/08)
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