サイエンス・エンターテイナー飛鳥昭雄公式サイト
AZEE支局バックナンバー
後のナンバーへ
第60回
第59回
第58回
第57回
第56回
第55回
第54回
第53回
第52回
■第51回
前のナンバー
 

支局
第51回
 アメリカが高速鉄道網構想に動き出した。
飛行機が全国ネットするアメリカでも、大陸横断鉄道はそれなりの役目を果たしているが、エコロジーと大量輸送&スピード化の時代、高速鉄道は欠かせない。
少し前なら、高速鉄道といえばドイツか日本だったが、今ではイギリス、中国、韓国も名乗りを上げ、アメリカで受注を受けようと乗り出してきた。
ご存知のように、中国の高速鉄道の車両技術は日本が与えたもので、台湾では台湾型の日本製新幹線がそのまま走っている。
韓国では、フランスTGVの技術を導入して高速鉄道を完成させたが、いつの間にか自主開発と銘打つ高速鉄道を創り上げたらしい。
日本製のパクリ苺から、自主開発と偽った新種苺を作ったと同じく、TGVのパクリである。
が、アメリカはそんな経緯などどうでもよく、高速で安く安全な高速鉄道が手に入ればいい。それなら日本の新幹線はどうかというと、確かに大きな事故がないのが売り目だが、反面、大きな事故が起きた場合の車両の丈夫さに疑問がもたれることになる。
同じく、日本製新幹線の時間の正確さだが、アメリカ人にすれば、正確な時間などどうでもいいことである。そもそも1分遅れただけで目くじらを立てるような国民性ではないのだ。
騒音を出さないことで知られる新幹線だが、家屋が密集する狭い日本の場合なら分かるが、ほとんど広大な大地を行くだけの高速鉄道に静かな車両はメリットがない。
コスト面も、アメリカは在来線を走る高速鉄道を考えており、新幹線用に別系統の鉄道を造るとなると、コストは相当オーバーしてしまう。
では日本の新幹線に勝ち目がないかというと、長い歴史を持つ様々な技術を含めた総合システムで売り込めば活路が開くかもしれない。
アメリカでもブロック別で高速鉄道化が進む可能性があり、その一つであるカルフォルニア州から、シュワちゃんが9月に来日する。新幹線の視察で日本にやってくるのだ。パラダイス鎖国状態の日本人に、果たして世界に打って出るだけの気骨がまだ残っているかが問われるだろう。
(10/08/26)
UP
前のナンバーへ 次のナンバーへ
COLUMUN
筆取前話
浪漫サイエンス
漫凶画人
百鬼夜話
ASKAZEERA支局
ASKAZEERA本局
(↑ブログ・新しいウインドウが開きます)
 ←BACK