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第48回 『乱歩の時代』
 今回も別冊太陽シリーズの中から一つ、『乱歩の時代』(平凡社)を取上げたい。
昭和エロ・グロ・ナンセンスの副題があるように、中を見ると大正から受け継いだ昭和初期の時代背景が生々しく読み取れる。
そういう時代を背負って江戸川乱歩が登場したことがよくわかる。
まさしく「怪奇と幻想の時代」だったのである。
多くの日本人はエロ・グロ・ナンセンスといえば独特の違和感を覚えるようだが、それは戦後の野放し状態の中で登場した低俗な「カストリ雑誌」の影響である。
第二時世界大戦以前は、混迷の時代背景から生まれた都市文化、当時の言葉でいう「都市モダニズム」の異名だったのである。
その時代に登場した乱歩作品は、今でいうエログロ小説より高尚なのは、そういう時代に書かれた作品だったからだ。
よって戦後のエロ・グロ・ナンセンスとは違う時代を背負っているといえるだろう。
『乱歩の時代』の付録についていた「犯罪図鑑」は圧巻で、昭和7年の復刻版だが、死骸の化粧写真やらバラバラ死体の写真やらが満載されていて気分が悪くなる。
が、裏返せば、今の時代のように全てをソフトドリンクにして誤魔化す時代ではなく、死とはどういうものかを直視させていたともいえる。
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