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飛鳥昭雄の漫画家人生
第66回 ザ★超能力
 小学館の『コロコロ・コミック』の藤子賞に佳作入選した後、何本かの読みきり漫画を発表していたが、とうとう1984年春から、『ザ★超能力』の連載が決まる。

  それと同時に、コロコロ編集部主催で、銀座の松坂屋において、超能力実験が開催されたのである。

 対象は子供たちである。

 スプーン曲げ、フォーク捻りとつづき、最後は念写で大いに会場は盛り上がった。

 念写では不気味な侍の像を写し出したり、捻じ曲がったドラえもんを出したり、奇妙な光を映したり、キャップをしたカメラで会場の写真を撮影したりで大成功だった。

 その様子はさっそく漫画とリンクして掲載されるのだから、編集部のメディアミックスに対する姿勢には舌を巻かされた。

 今も筆者は一人でメディアミックスしているが、この頃の体験で得たものを応用している。

 コロコロ編集部のメディアミックスの手腕が最大限に活かされたのが、田宮模型と一緒になって一つの文化まで築き上げた「ミニ四駆ブーム」だろう。

 日本中に会場を設け、最終的に東京の巨大会場で自分のミニ四駆を走らせる快感は子供たちを虜にした。

 おまけに専門のスターを作って漫画に登場させ、その単行本を売るばかりか、コロコロからデザインしたミニ四駆を田宮模型が作って販売し、TVアニメばかりか映画にもする手腕は凄まじいものがある。

 『コミック・ボンボン』(講談社)に欠けているものがあるとすれば、メディアミックスへの尋常ではない熱意と技術の差だったように思えてならない。

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