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飛鳥昭雄の漫画家人生
第63回 論文コンテスト
 JAF(日本自動車連盟)主催の懸賞付」論文コンテストで、私は1985年に一度だけ応募した事がある。

 第五回目のコンテストで、テーマは「交通停滞」だった。

 私は『交通停滞とつきあおう』のタイトルで書いた結果、佳作入選した。

 要は、停滞時にはエンジンを切ることを奨励すべきだとする内容で、最新型の日産マーチに付けられている機能の目的とする内容だ。

 時代がバブル全盛期で、そんなにガソリンをケチってどうする・・・・というような時代だったし、CO2問題など一体なに・・・・という時代だった。

 少し早すぎる提案だったような気もするが、漫画を描きながら論文を書いて応募することが、先々の文章業にとって良いトレーニングになったように思う。

 同じ頃、ゴジラの原作も応募して入賞したし、和歌山みかんの宣伝原稿にも応募して、みかん一箱を頂戴したりした。

 それぞれちょっとした小遣い稼ぎになったが、それよりも文章でもやっていけるという自信につながる経験を蓄積して行ったように思える。


 JAFで佳作入選した同じ年、ゴマ書房から『超能力の手口』が発行されることになった。

 当時の契約書を見ると、初版は5万部だった。本を出せば何でも売れるという、今では全く信じられないような好景気の時代だった。

 ところで、2005年から「貸本業」が本格的にスタートすると聞いている。

 ツタヤも参入するらしく、本を買わずにレンタルで済ます時代になるということである。

 私の子供の時代、日本はまだ貧しかったので「貸し本屋」で1日10円で漫画単行本を借りたが、昔に戻ったということなのだろう。

 本屋に置かれるのは、売れる作家の本だけという時代になってくるし、印税も販売部数で計算する時代になってくるかもしれない。

 そうなると新人作家など鼻も引っ掛けてもらえないし、生活も出来なくなるだろう。

 結果、売れる作家だけが残る時代になるということだ。

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