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飛鳥昭雄の漫画家人生
第29回  ノンくんモンくんの冒険
 「ノンくんモンくんの冒険」が出てきた!

 これを生まれて初めて小学館の「少年サンデー」に応募したのである。

 記憶には無かったが、表紙のバックには、前回のスケッチブックに描いたと同じ巨大ロボット登場している。

 しかし、たった4ページしかない「科学冒険長編予想漫画」には、一コマも登場していない。

 まだ小学生のノンくんとモンくんは、車を運転しながらビックリ博士の研究所に急ぐシーンから始る。

 じつは、当時の「鉄人28号」(横山光輝)でも、主人公の金田正太郎は小学生でも立派な屋敷に一人だけで住み、自動車を運転し、拳銃さえも持っている・・・・当時の少年漫画は殆どがそういう主人公の設定だった。

 だから、そういう少年漫画で育った私も、何の疑問も無く同様の少年漫画の設定で漫画を描いていたのである。

 ビックリ博士の研究所に着いた二人は、ロケット噴射のエレベータ―で地下まで降りると、ビックリ博士の実験室に出てくる。

「このせん水かん、ビックリ博士が一人で作ったの」

「そうだよ。あす、このせん水かんの試験をするんだよ」

・・・・と、ここで物語は唐突に終了する。

 そして、私のコメントが書かれている。

「この後は長いのでここだけで終わります」

 ・・・・・おそらく当時の編集部も呆然であろう。よく、怒ってそのままつっ返されなかったものと思う。

 当時の編集部は、これだけの漫画応募に対して、便箋2枚にびっちりと感想とアドバイスを書いてくれたのだ。

 今思い出しても赤面するが、それができる大人というのは素晴らしいものだと思う。

 当時の自分と同じような作品を、私のところに送ってきた子供がいたとして、あの編集者と同じような対応ができるかどうか・・・・。

 言いかえれば、当時の編集者と同じ対応ができるような自分にならねばならないという、遺産をその人から引き継いでいる・・・・そんな心構えでいる。

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