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飛鳥昭雄の漫画家人生
第82回 ザ★ショック
 スピルバーグの映画「トワイライトゾーン」が日本で公開された頃、平山編集長が「よし、これで行こう」と言って「コロコロ・ペシャル(スペコロ)」に描かせたのが『ザ★ショック』だった!

「飛鳥さん、映画と同じで三本立てにして」と編集長に言われたので、13p、7p、10pで、「ただいま<帰って来た少女の話>」「黒猫<ネコにネコが生まれた話>」「交差点<見つからなかった首の話>」のオムニバスになった。

「飛鳥さん、映画と同じで画面的に暗い感じを出して」と編集長に言われたとおり、「トワイライトゾーン」ぽくベタを多用した。

 こうして「スペコロ(No−12)」は86年9月1日に発売されたが、内容が日本ぽく陰湿で暗かったせいか子供たちが引いてしまったようだ。

 そういえば「トワイライトゾーン」は怖さの中にもアメリカぽいギャグが多分に盛り込まれていた。それが暗さを十分に補い、且つ、面白くて救いがあったのである。

 子供たち相手には、怖いだけでは駄目ということをこれを通して学ばせてもらった。

 そういえば「走る二宮金次郎」「口裂け女」「人面犬」もどこか笑える部分が残されている。

 金次郎が校庭を薪を担いで走るのはどこかユーモラスだし、口裂け女がシャンプーに弱いのは笑える。

 人面犬などは「ほっておいてくれ」や「うるせーな!」という捨てゼリフを残して走り去るのだから笑える話だ。

 怖さとユーモラス・・・・・この絶妙のバランス感覚が大ヒットを生み出すコツなのだろう。

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