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飛鳥昭雄の漫画家人生
第90回 漫研M筆取前話
 漫画同人誌の「ティーム・コスモ」より前の時代、漫研「M」という同人誌に加わっていたことがある。

 1969年の年号がサインに記入されているので、筆者が19歳の頃である。

 どうやらこの頃に筆者は初めて「筆取前話(ひっしゅぜんわ)」の名称を考え付いたようだ。

 西部劇の「流れ者シリーズ」と銘打って、『黒いティンガロン』というタイトルを表記しているが、実際に描いた覚えが無い。

 この同人誌が無くなってしまったか、筆者が描かなかったか・・・・・どちらだったのかハッキリと覚えていない。

 当時の同人誌は「肉筆回覧誌」といって、生原稿を閉じる方式だったので、世界で一冊しか存在しない回覧誌が出来上がるわけだ。

 それを順番にメンバーの家に送るシステムだった。

 その予告カラーページが手許に残っていたということは、当然、このページは送らなかったということになる。

 この頃、『COM』(虫プロ商事)に「フーテン」を連載していた永島慎二の影響を受けていたのだろうか、黄色い涙シリーズのような自画像になっている。

 筆者の記憶では、20歳を過ぎてから「筆取前話」の名称を使っていたと思っていたが、こうして現物が出てきたら、ティーンエイジャーの頃だったので正直自分でも驚いている。

 そうなると「筆取前話」の年齢は35歳ということになる。

 今も、そしてこれからも、この名称を使っていくことになるだろう。

 このことから「筆取前話」の当初の意味は、これという特別な意味は無く、ただの“予告”だったことが分かる。

 まさしく「筆を取る前の話」というだけの単純な意味だったのだ。

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