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飛鳥昭雄の漫画家人生
第69回 テセウス
 1979年9月号の『月刊OUT』に、筆者の読み切り短編SF『テセウス』が掲載された。

 『タイフーン』が同誌に掲載されて既に9カ月が経っていた。

 社会人として働きながら漫画を描いていたので、16ページとはいえ時間がかかったのだ。

 当時は「スターウォーズ」「エイリアン」「宇宙船艦ヤマト」「銀河鉄道999」「未来少年コナン」「ガンダム」等々のSF時代で、筆者も顕微鏡を見ながら描いたかというほど精密メカを描いていた。

 『月刊OUT』は、当時のSFアニメオタクのバイブル的な雑誌で、セミプロ的な編集方針が妙にヤング世代とマッチして人気があった。

 たまたま1977年4月号の『月刊OUT』にティーム・コスモの大特集があり、『スター★シマック』(関あきら)が大々的に取上げられた。

 そこで、同じティーム・コスモメンバーという肩書きで、描き下ろしのSF作品『タイフーン』を送ったところ、一発掲載されたのである。まさにティーム・コスモ様々だ。

 この掲載が無かったら、普通の社会人だけで今も過しているかもしれない。筆者的には今につながる意味で貴重な仕事だった。

 この時の『テセウス』の内容は、全長23キロもある南極の巨大氷山を、海上自衛隊のトライデント級潜水艦が破壊するという物語である。

 なぜ巨大な南極の氷山が日本に流れ込んできたかだが、アメリカ海軍がカルフォルニアの慢性的な水不足を解消するため、フンボルト海流を利用して南極から巨大氷山を牽引しながら運んでいたが、赤道反流に乗せることに失敗し、そのまま太平洋に流してしまった結果だった。

 巨大な氷山は太平洋を越えて日本海流に入り、そのまま海上に浮かぶ「海上原発海域」に突入してくる・・・・という設定である。

 最後に、レーザーキャノン砲で破壊できないドンデン返しがあり、筆者的には好きな作品だった。

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