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飛鳥昭雄の漫画家人生
第45回  ユーカリ社
 私が19歳だった頃、大阪の天王寺区清水谷に「ユーカリ社」という、便箋・ノートを販売する会社があった。

 コクヨを小型化したような会社だったが、主に女性向けのファンシー商品を作っていた。

 鞄に引っ掛ける人形、絵つきノート、便箋、紙バッグ等々を作っていたのだ。
だからイラストレーターが必要だったのだろう、5人ほどイラストレーターを募集していたのだ。

 そこへ私が応募したところ、即採用になり、企画室に配属されることになる。
私の専門が漫画的なイラスト作業なので、得意だったハンナ・バーバラ社の絵を全て描きなおし、便箋、封筒、ノートに印刷して売り出す仕事が主となった。

 この頃にクリスチャンになったのだが、会社の真下にあった清水谷公園で昼休みなど、よく聖典を読んでいた。

 会社の近くに大きな「クリスチャンセンター」もあり、結構、キリスト教を知る環境が周囲には整っていたようだ。

 ユーカリ社は、一時TVでもCMを流すほど成長したが、今は建物だけを残して倒産してしまった。

 数年前に訪れた時は、別の会社の建物に変わっていて、思わず世の諸行無常を感じた次第である。

 今も時々あの頃の夢を見ることがあるが、ここで本格的な水彩、不透明水彩の技術を学んだことは、後の私にとって非常に役に立った。

 あの頃、随分と世話になった常務さんは、とっくに定年退職されただろうが、果して今はどうしておられるのだろう。

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