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飛鳥昭雄の漫画家人生
第35回  同人誌「クーデター」
  私が18歳の頃、東京の伊藤光夫氏が主催していた「漫画狂同盟」という小さなサークルに所属していたことがある。
 
 伊藤氏の住まいは東京都文京区音羽、つまり目と鼻の先に講談社がある。

 事実、彼の父親は講談社の人間だった。そのせいか彼も漫画の世界に興味を持ち始めたのだ。

 サークル名に「狂」を付け、会報に「クーデター」と名付けるほど血の気の多い人物で、この会報にも結構過激な発言が目立つ。

「クーデターとは暴力で政権をのっとることで、革命とは違います」にはさすがの私も驚いた。

 講談社と関係があったせいか、ガリ版刷り会報にも関らず、講談社の某青年漫画雑誌の編集部を訪れ、正式に取材している。

 彼は後にスケートボード等の表紙を飾るデザインを描いていたが、果たして今はどうしているのだろうか?
 
 同姓同名のレーサーがいるが、彼とは無関係だ。

 若い頃は、湧き出すエネルギーのはけ口に困る頃がある。

 当時の漫画家志望の若者たちは、カリカリとガリ版を刷りながら、または肉筆回覧誌を製本しながら、未来に向って突き進んで行った。

 勿論、損得勘定や採算などは考えていないし、それが若者という年代であり、若さの特権であり、人生における果敢な時代だった。

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