◆『廃墟ノスタルジア』
再び"廃墟ネタ”のグラビア本である。
今回は『廃墟ノスタルジア』(二見書房)だ!
廃墟と言っても様々あるらしい。廃校、廃工場、廃鉱、廃港、廃坑、廃商店、廃遊園地、廃・・・・・・等々。
なぜ今、廃墟に注目が集まっているのかについては様々論議はあろうが、私は「過去への逃避」と見ている。
現代社会があまりにも不安定で未来が見えてこない現代、間違いなく存在した過去の現実こそが廃墟なのではないかと見ている。
廃墟はある意味で人間の生き様の証であり、人間の足跡をそのまま正直に残している。
人は死ねば土に返るし跡形もなくなってしまうが、廃墟は破壊しなければそのまま何十年も残っていく。
いや、廃墟によっては、これから先数百年も残っていくだろうし、その残りざまも歳を重ねて厚みを加えていく・・・・・。
九州にある「軍艦島」を世界遺産に組み込もうとする動きも、自分たちが生きてきた証を世に残そうという人の本能の現れのように思えてならない。■







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