◆『江戸アルキ帳』
存知、江戸研究家の元祖的象徴、杉浦日向子(ひなこ)女史の『江戸アルキ帳』(新潮社)である!
NHKの『お江戸でござる』でも常連だが、『サンデー毎日』に毎週連載されていたものが、この1冊に収録されている。
毎週、タイムマシンで江戸を探索していくシリーズで、毎回、場所も時代も違って、江戸の情緒が杉浦女史のカラーイラストと相俟って見事に醸し出されている。
日本橋の項では「初日なので日本橋にした。久しぶりで江戸に入った時は、さすがに緊張したが、すぐ慣れた。自転車のようなものだ・・・」で始る江戸見物には、ページをめくるごとにドキドキする。
見開き左一面にはカラーイラスト、右ページには散策する読者の江戸の説明があり、中々いい企画をサン毎編集部も考えたものと思った。
江戸研究には異色の本なので、好きな人にお勧めの1冊である。■





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