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飛鳥昭雄の漫画家人生
第100回 1999年
 1991年10月末、「週刊少年サンデー/47号」(小学館)で、筆者の監修した「1999世紀末大予言集」が登場した。 この企画は、2色刷りの5ページ物で、「コロコロ・コミック」から「週刊少年サンデー」に移動した平山隆編集長に、筆者が持ち込ん企画だった。
 世の中は、五島勉氏が言い広めた“1999年で世界(人類)が絶滅する”というノストラダムスの予言解釈で溢れ、まるでそれをノストラダムス自身が言い切ったと勘違いする人間で一杯だった。

 物事の上っ面しか見ない日本人を、社会評論家だった大宅壮一氏(1900〜1970年)は、当時のTV世代を称して「一億総白痴化」と警告したが、まさにその通りの有様だった。
 五島氏の基本的解釈は、原因は何であろうと、1999年7月(あるいは8月)で人類が滅亡するということだった。それはいくらなんでも無いだろうという筆者の主旨を平山編集長が汲み取り、企画されたものが「1999世紀末大予言集」だった。

 1999年第7番目の月
 天から地に落とされし驚愕の大王
 アンゴルモアの大王を甦らせんと
 その前後に マルスは平和を盾に支配に乗り出す
 (『諸世紀』第10章72番)

 問題の四行詩にある1999年にしても、「その前後に」とある以上、1999年の“後”もあることになる。そうである以上、1999年の前(1998年)に何か重大な出来事が起きたとしても、1999年に人類が絶滅することだけは絶対に無いということだ。
 それを読者に伝えるため、「座布団」の例を出してコメントしたわけである。座布団の話は、こういうことだ。
 仮に、リンゴがテーブルから落ちるという予言があっても、その下に座布団を敷くことで、リンゴが割れるのを防ぐことができる・・・・。
 具体的に言えば、たとえ豪華客船が沈没するという予言があり、その通りに起きたとしても、その客船に乗らなければ災いから逃れることができる・・・・ということだ。

 これはノストラ予言が実際に起きないということではない。五島氏が解釈するような、1999年に人類を滅亡させる最終戦争が勃発するのではなく、1998年にハルマゲドンに至る道が完成するというのが筆者の主旨であり解釈なのだ。
 それだけでは宗教っぽいので、夢見る予言者の異名をもつエドガー・ケーシーと、女性予言者の名を持つジーン・ディクソンの予言をノストラダムスと共に並べることで、厚みをもたせることになった。だから正式なタイトルは、「世界三大予言者による・1999世紀末大予言集」なのだ。予言者であり預言者ではないので念のため。

 1985年の『超能力の手口』(ゴマ書房)以来、筆者は漫画家以外にも、サイエンス・エンターテイナーの名で、様々なマスメディアで活躍していた。神父や牧師などの宗教家ではなく、科学を盾にするエンターテイナーなので一般の編集部も筆者を使いやすく、今もその状況は全く変わっていない。
 サイエンス・エンターテイナーの名は、最初、TVで使用されていたが、出版物では、1992年8月発行の『UFO2衝撃の真相』(KKベストセラーズ)から使用し、このシリーズは回を重ねていった。
 これからも、漫画制作と並行しながら、サイエンス・エンターテイナーの名で活動していくつもりである。

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