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飛鳥昭雄の漫画家人生
第86回 マジカルまりちゃんのマジックレッスン
 ゲラ刷りが箱の中から出てくるまで全く忘れていたが、筆者は『ぴょんぴょん』(小学館)でも漫画も描いていたようである。

 タイトルは「マジカルまりちゃんのマジックレッスン」・・・・・知らなかった。(汗)

 主人公は「毎日中学生新聞」に連載していた『コミコミらなちゃん』と同じキャラ。

 別に双子ではないのだが、少女漫画で描けるのは当時はこのキャラしか無かったからだろう。

 これは『あっとおどろく・マジック大特集』の企画ページの一環で15ページの読みきり漫画だったが、中身を見れば他に11ページの特別読み物も一緒に書いている。

 同じ号で結構がんばっていたんだと改めて感心するが、大きな出版社で仕事をしていると、建物の中を移動するだけで仕事がもらえたことを思い出す。

 階が違えば別の編集部だし、同じ階でもいろんな編集部があるため、まるで多くの出版社を梯子しているようなのだ。

 行けば食事や飲み物を打ち合わせと称しておごってもらえるし、確かに食べるものには全く困ることは無かった。

 その意味で小学館だけで漫画を描いている時は、環境的にも結構めぐまれていたと思う。

 が、そこで長くいると小学館しか仕事の出来ない作家になってしまう・・・実際、余所でもやらなかったコロコロの漫画家は、ほとんど最後には仕事が来なくなって消えていった。

 漫画家は永久就職ではないことを忘れさせる環境が大出版社にはあって、ついつい現実を忘れさせてしまうのだ。

 筆者は、家族持ちで危機感も持っていたので、小学館の庇護の中から飛び出したが、別にこれから先、小学館で仕事をしないわけでもないので、余所でも仕事を求めたのは今思っても正解だったと思っている。

 この作品は『ぴょんぴょん』1989年3月号の掲載だった。

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