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飛鳥昭雄の漫画家人生
第73回 BMXライダーマン
 1984年の「コロコロ・コミック」(小学館)の夏休み増刊号に『BMXライダーマン』を掲載した。

 スポーツ漫画が描きたかったので、BMXの天才少年を主人公にした荒廃した世界の物語だった。

 ちょうどその頃「週刊少年ジャンプ」(集英社)では、世紀末を扱った『北斗の拳』(武論尊・原哲夫)が大ブレイクしていた。

 そのため、大地震で日本全土が壊滅した世界を描いたわけである。

 とは言っても、31ページの読み切りだし、幼年雑誌だったので、それほど重い内容は描けない。

 そこで、自ら自分のミニサイクル(当時は家電のナショナルしか販売しておらず非常に珍しかった)を改造した経験を生かした作品を描くことにしたわけである。

 以前に『サイクル輪平』をコロコロに掲載したので2作目の自転車漫画というわけだ。

 筆者は、この作品を描く前、当時の担当に「子供たちはナウシカや北斗の拳のように、潜在意識的に一度この世界が破壊することを望んでいるのかもしれない」と言ったら、「そんなことはありません」とキッパリと反論してきたことを覚えている。

 今を思えば担当の言う方が正しかったと思うが、幼年雑誌という立場からも“夢”を与えることが不可欠だったからでもあろう。

 何と言っても『ドラえもん』(故・藤子・F・不二雄)が掲載されている漫画雑誌である。当然と言えば当然だった。

 子供たちに自転車改造の面白さを伝えたかったが、流石の改造好きの子供たちも、BMXはそう簡単には手に入れることができず、ブームの仕掛けは見事に失敗に終った。

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