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飛鳥昭雄の漫画家人生
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第60回 報告書 |
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よく出版界は水物と言われている。
何がヒットするか分からない世界だからだ。
人気が左右する意味では水商売と同じである。
だから出版界は「御祓い」「厄落し」「お参り」は欠かせない。
意外かもしれないが、日本の出版界は未だに縁起担ぎではトップの業界なのだ。
逆に、様々な最新データを集めて分析する業界でもある。
大体は何処もシンクタンクを持っていて、新雑誌を発行する前に様々な情報が集められる。
それは漫画においても同じで、ここで紹介するのは、講談社が情報機関に依頼して収集した極秘データである。
1993年度版なので今ではこの情報は、微妙に通用しなくなっているだろうが、小学4年生〜中学2年生を対象にしたデータだ。
調査方法はグループインタビュー法で、「子ども調査研究所」が調査したものだ。
ここには各年代の一日の生活スケジュールから、趣味、コレクション、ペット等々が調査されている。
が、ページの半分を割いているのが何と『少年ジャンプ』の分析なのである。
ジャンプの漫画の中で好きな順番、嫌いな順番どころか、ホモキャラ好感度、不良キャラ好感度、見栄張り好感度などが徹底調査され、そのデータをもとに新雑誌を立ち上げるようになっていることだ。
じつは、これより凄いデータが「コロコロコミック」の編集部にあり、歴代の大ヒット漫画の全ての共通点を徹底分析したものだ。
つまり「大ヒット漫画の方程式」というもので、大ヒット漫画は必ずこれを網羅しているとされる。
それは完全な一覧表になっていて、細かく記載された項目に○×式で記入すれば、その漫画のヒット度合いが予測されるという。
勿論、それを中心に作品を起こしても、必ずヒットするわけではない点が面白いところだ。
だからこそ余計に出版界は縁起を担ぐのだろう。■ |
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