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飛鳥昭雄の漫画家人生
第48回 メンターG
 今回は『メンターG』である。

 表紙に書いているように、私が12歳の頃の作品で、おそらく小学6年生の3学期に描いたと思う。

 それまでの1枚で終った作品と違い、11枚も頑張って描いている。

 なぜ11枚で終ったかというと、スケッチブックがそこで終ってしまったからだ。
 もう少しスケッチブックの画用紙が続いていたら、漫画も続いていたかもしれない。

 この頃から、漫画を描きつづける行為に慣れてきたと思う。
 やはり一旦はじめたら、できれば最後まで、それが無理なら少しでも長く描かねばならない・・・・というような意識が芽生えてきたように思える。

 生意気に自分のサインまで書いているが、漫画家になる意識がこのあたりから微妙に固まりはじめたのだろう。

 この作品は11枚とも色鉛筆で彩色をしている。

 墨汁で線を描く知識が無かったので、万年筆で描き、インクも万年筆用ブルーブラックを使っている。おまけに、筆も使わず万年筆でベタ塗りをしているのだ。

 3ページ目にある主人公の登場シーンが赤面物である。

Gと打たれた鉄の仮面を被った少年がさっそうと悪人の前に立つ。

少年「フフフ」

悪人「きさまはだれだ・・・・」

少年「さあね」

悪人「いわぬとこうだ」

悪人、なぜかわざわざ宙を舞って銃を撃つ。

効果音[ババン!]

少年「うっ」

被っていた鉄仮面が真っ二つになる。

効果音[パリン!]

悪人「きさまなにしにきた?」

少年「おしえてやろう」

少年「かんたんにいうと・・・・・あく人をこらしめにきたメンターGというものだ」

悪人「なにお」

銃を身構える悪人

少年「フフフ・・・くるか」

 笑わないで頂きたい。当時のプロ漫画家の作品もこれとほとんど大同小異だったのだ。

 主人公の名前がなぜ「メンターG」なのか分らない。勢いだけでタイトルにしたように思う。
 ただ、(故)手塚治虫氏の『魔人ガロン』に出てきた主人公の前髪に「W」の文字が描かれていたことから、単純に「G」にしただけだったと思う。

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