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飛鳥昭雄の漫画家人生
第20回  サントリー
 サントリーが、壽屋と呼ばれていたときから発行していた『洋酒天国』というB5のグラビア誌があった。

 当時、都会を中心に拡張していた「トリス・バー」や問屋等に配布されていたもので、当然社員にも配られていた。非常に上品な本だった。

 著名人によるエッセイは大人の香りがしたし、海外旅行記などは私が小学生だった頃なので、日本人には夢のまた夢の世界である。

 作家の開高氏が途中から編集長で毎月発行されていたが、開高氏の死と共に消えてしまった。

『洋酒天国』の中には必ず女性の水着姿の折込グラビアもあって、小学生ながらこれが大人の世界なのかと思った。

 上質紙でサントリーの様々な洋酒が綺麗にレイアウトされ、中々デザイン的にも当時の最先端を行っていた。

 漫画家の柳原良平氏の「アンクルトリス」も好調で、とにかく「イカス(当時の流行語)本」だったのだ。

 そこへ私が足しげく小学生の頃から送りつずけた自己PRの一枚がこれで、サントリーが初めてビールを販売したことを記念して、子供心ながら健気にも描いた作品だった。

 記憶では何枚か描いたはずだが、残っているのはこれ一枚である。子供ながら愛社精神を持っていたらしいが、サントリーの社内報か何かに印刷されていた記憶がある。

 確か「ニッカ」を撲滅する主旨の作品を何枚か描いたが、会社の叔父さんたちから優しく諌められたという記憶がある。

 こういう作品が次々と見つかるごとに懐かしさもひとしおだが、同時に赤面することも多々あり複雑な気持ちである。

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