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飛鳥昭雄の漫画家人生
第5回 宇宙植民地101号
 「チップ・ピーター」から一年経った、中学二年生(十四歳)の頃に描いたのが「宇宙植民地101号」である!

 当時から私はSFが大好きで、地球が破滅する未来を描いた70ページの作品だったが、中学二年生の年齢を思えば、よくそれだけの枚数が勉強の間に描けたと思う。

 内容は、エイリアンが地球を101番目の植民地にするため、わざと米ソを闘わせて乗っ取ってしまうというもので、その陰謀を知った日系2世アメリカ人のリチャード本郷が、最後にはペンタゴン(アメリカ国防総省)に乗り込んで阻止しようとする・・・・。

 当時、「鉄腕アトム」や「ビッグX」にかぶれ、大の手塚ファンだった為、描く主人公は全て“手塚派“の絵ばかりだった。
勿論、この作品は前回に引き続いて、講談社の「少年少女の漫画作品の懸賞募集」に送ったことは言うまでもない。だが、やはり今回も落選の憂き目に遭う。

 しかし、前とは違い、ホワイトで修正ができるようになっていたし、けっこう大きなコマで物語のメリハリをつけるテクも駆使できたので、当時は自分でも進歩していることを実感しながら描いていた。

 ところが相変わらず、表紙を含む数ページに色を塗って応募していたし、原稿に紐を通す穴を開け、裏表で見れるよう原稿を二つ折にしたりしていた。何故かと言うと、父親がそうするべきだと私に言ったからである。

 まだ中学生なので仕方が無いが、一般アメリカ人の設定である主人公が、アメリカの警察署から捜査令状を書いてもらい、怪しい国際病院に乗り込んでいく・・・・という展開に今でも赤面する。これでは最終選考まで残れるはずがない。

 入賞者は何とまた十七歳の高校二年生で、今回は前回と違って男だった。入賞作品は「世界をにぎる男」というSF漫画である。

 当時、漫画を描くなら自分独自の創作作品を描くのが常識で、今のコミケのようにパロディ漫画が主体で、既成作と同じ絵柄を描いて楽しむような時代ではなかった。確かに今の方が絵が桁違いに上手いが、パロディだけで楽しんで描いているだけと聞くと、私などは達者な腕を持ちながら勿体無いことをしていると、ついつい思ってしまうのである。

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