参考画像 |
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※椎の木 |
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日本の妖怪
落ち葉なしの椎 |
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今回は「落ち葉なしの椎(しい)」の話である!
江戸本所の大川(現在の隅田川)沿いにあった松浦家という武家屋敷の庭に、立派な椎の木が立っていた。しかし、この椎の木だが誰がいつ見てもたった一枚の落ち葉も地面に落ちていないのである。
「この椎の木の葉が落ちるのを誰も見た事がない」
話はたちまち江戸中に知れ渡り、松浦家は「椎の木屋敷」と呼ばれるようになって、奇妙な話として「本所七不思議」に加えられたという。しかし、その屋敷が本所の何処の場所にあったかの記録は一切無い。
もともと椎の木というのは常緑樹で、落ち葉は少ないものである。それでも一枚も落ち葉がないということが不思議なわけだが、屋敷という以上は武家屋敷だったのだろう。
実際、本所一帯は、江戸の「明暦の大火」(1657年)の後で開発された土地で、そのほとんどは武家屋敷だった。。
今ではこの話も面白おかしく解釈され、「必死に掃除に励む下男がいたかも知れない」とか、「実はその椎の木は枯れ木で、最初から葉は一枚も枝についていなかった」等々・・・とにかく気楽な笑い話になってしまっている。
しかしである、何度も言うようだが、昔の話だからといって馬鹿にすることはできない。もしそんな単純な手口で七不思議になれば、たとえ江戸時代であっても誰かが予測できることだし、椎の木の枝に最初から葉がなければ、誰も七不思議とは騒がないだろう。これは今の人間が短絡的に解釈しているだけのことなのだ。
かと言って、葉が落ちない椎の木など、誰かが発見できるという類のものでもないことも事実だ。仮に気づく者があるとすれば、やはり始終屋敷の庭を掃き清めている下男ということになる。ところがである、武家屋敷の内情というのは、まず外部に出ないと言っても過言ではないのだ。
元々武家屋敷は一つの城のようなもので、出入り口には門番が立っていたり、戸はふつう閉め切られているのが常識だ。よって誰でも簡単に入って中を確かめられる類の場所ではないのである。
つまりこの話は、何かの象徴や諺(ことわざ)が大前提になっているということである。これまでの「本所七不思議」を解明してきたように、これらの話は本所で起きた現実の話ではないのである。誰かがまとめたものを寺や神社を中心に語られ、そこから一斉に庶民が言い広めたのである。
では、なにが落ち葉の無い椎の中核にあるのかを見てみよう。
まず椎は木である。そして常緑樹である。常緑樹とは冬が来ても他の木々よりも葉は落ちない。だから「常に緑の樹」なのだが、常緑樹の名称はあくまで樹のもつ生命力の象徴である。
これは『聖書』でいう「生命の樹」と同じで、だから「生・命・樹」の文字が与えられている。当然、「生命の樹」に落ち葉は無い。もちろん現実的にそんな木などはあり得ない。元々神話とは象徴なのである。しかし象徴が基本にある以上、象徴を知らねば本質はつかめない。言えることは、「生命の樹」は神を象徴するということだ。
実際、世界中に「生命の樹」の信仰が存在しており、「宇宙樹」とも呼ばれている。日本にも「生命の樹」はある。神社の境内にしめ縄を巻いて立っている「神木」がそうである。「榊(さかき)」や「境木(さかき)」とも呼ばれている。神を示す木なので神木と名付けられているのだ。
釈迦は沙羅双樹(さらそうじゅ)の木の下で生まれ、菩提樹(ぼだいじゅ)の木の下で解脱して仏陀となった後、やがて沙羅双樹の木に囲まれて死を迎えている。イエス・キリストは木に掛けられて、メシア(救世主)として地上での使命を全うした。
ヒンドゥーの神クリシュナは聖なるカダンバの樹の下で真理を指し示し、マホメットは天使ガブリエルから地獄の樹ザックームと、天界に至る樹テューバを示されている。
『聖書』にも当然、「生命の樹」が記述されている。
「主なる神は言われた。『人は我々の一人のように、善悪を知る者となった。今は、手を伸ばして命の木からも取って食べ、永遠に生きる者となるおそれがある』」(『旧約聖書』「創世記」第3章22節
じつは「エデンの園」には、「生命の樹(命の木)」の他に、もう一本の樹が立っていた。それが、エバが蛇に語った「禁断の樹」である。その木の実を食べると神のように知識を得て善悪を知ることができるとある。そのことから禁断の樹を「知識の木」ともいう。そして椎を解字した意味と同じく、エデンの園の中央に立っていたのである。
「また園の中央には、命の木と善悪の知識の木を生えいでさせられた。」(『旧約聖書』「創世記」第2章9節)
エバは蛇に騙されて禁断の木の実を食べ、アダムにも与えてしまうのだ。それによって人は死ぬ者となった。裏返せばこれが地獄を生み出す「死の樹」であり、サタンである黄銅の蛇が樹に巻き付いている。
これら二本の木の存在を神が示したという意味で、「木・木・示」という「禁」の漢字ができている。つまりアダムとエバに手を伸ばすことを神が禁止したという『旧約聖書』の下りなのだ。言いかえれば漢字は『聖書』を原形として作られている。
このように、日本では様々な形でユダヤが封印されてきたのである。■ |
1:ろくろ首 |
2:提灯小僧 |
3:天狗 |
4:鬼 |
5:一つ目小僧 |
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6:河童 |
7:九尾の狐 |
8:鵺(ヌエ) |
9:猫又 |
10:龍 |
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11:のっぺら坊 |
12:人面樹 |
13:足洗い屋敷 |
14:狸 |
15:送り拍子木 |
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16:灯りなし蕎麦 |
17:片葉の葦 |
18:おいてけ堀 |
19:落ち葉なしの椎 |
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