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※本所七不思議・送り拍子木より
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日本の妖怪 
送り拍子木
 今回の妖怪ネタは「送り拍子木」である!
 出題は再びの「本所七不思議」からとなるが、同じ本所深川の「送り提灯」と同列の話と思われる。

 江戸時代、時を告げる入江町の鐘は、大横川沿い北辻橋近くにあった。
 雨模様の夜道、この鐘近くで夜回りをしていると、どこからともなくチョン・チョンという拍子木の音が聞こえてくる。

 夜回りが火の用心を叫びながら歩くと、さっきの自分とは違う拍子木の音がずっと付いてくるのだ。

 夜回りとは江戸中にあった木戸番のことで、大体が老夫婦で木戸の横にある小さな小屋に住み、僅かな物売りの品を並べながら生計を送っている。その夜回りを脅かすのではなく、助ける良い妖怪とされているが、悪人には時には怖いこともしたようだ。

 ところで拍子木と言うと、時代劇で夜回りが「火の用心」で使われるか、「紙芝居」で子供を集めるときに使われた道具にしか思われていない。
 ちょっとした日本通なら「歌舞伎」で役者の大見得を切って形が決まった時に鳴る木の音を思い出すかもしれない。

 ところが拍子木というのは、元々は神具の一つだったのである!
よい例が「大相撲」で呼び出しが使う拍子木である!
大きく分けて「呼び柝(き)」、「上がり柝」、「土俵入り三番前の柝」がある。力士たちは柝が入れば、いちいち出番を言いに行かなくても、土俵上の進行状況が分かるとされ、相撲に欠かすことが出来ない。

 相撲は元々神社で行われたもので、大きな神社では必ず土俵が有る。誰かも言っていたかもしれないが、土俵を真上から見たら「正方形」と「円」で原始日の丸(メルカバ)になっている。

 専門の拍子木の入れ方には祭典規約の決まりがあって、祭りの際は遵守される。
 たとえば「手木の拍子木は、屋台(だんじり・山車のような物)同士が出会う挨拶の意味を持っている為、まず手木と手木とで拍子木を打つ」
「手木の中心が重なったときに“よおお”の掛け声と共に拍子木を打たなければならない」などがそうだ。

 貴方は正式な拍子木を見たことがあるだろうか?
 二本の木に紐が渡してあり、その紐は三本の紐を三つ編みにされた物が使われる。所によれば赤、白、黄(あるいは黒)で編まれる。だが元は三つ編みの縄だったとされる。

 大きさも大から小まで様々で、1メートルを越えるような拍子木まである。更には拍子木に文字が記されることも多い。

 では送り拍子木の正体とは何かということだが、得体の知れない妖怪にも関らず悪を成さないのは神具だからであろう。

 更に言えば、拍子木の二本の木を地面に立てれば、紐の部分の縄を張った“縄張り”となる。神具の縄張りを“境”といい”境内”は神域を示す。
 古来、神社で縄張りには入り口があり、そこには「鳥居」が立てられた。原始鳥居は二本の木に三つ編みの縄を渡した物である。

 もはやお分りになったであろう、拍子木とは原始鳥居を象徴した神具だったのである!!
 だからこそ重要なキメの個所で打ち鳴らすのであり、横綱の土俵入りのキメで拍子木が鳴るのも同じだ。

 キメとは「木目」であり、「木」は神社では「榊(サカキ)」で生命の樹を示し、そこに「目」があるのは、天岩戸から榊を覗く天照大神の片目である!

 つまりは「メーソンの象徴である目」なのである。我々日本人はフリーメソンより千数百年以上も前から「ピラミッドアイ」を保持している。

 だからこそ得体が知れないので畏敬の念で妖怪にされるのだろう。このように「本所の七不思議」にはまだまだ数多くの謎解きが求められているようである。

1:ろくろ首 2:提灯小僧 3:天狗 4:鬼 5:一つ目小僧
6:河童 7:九尾の狐 8:鵺(ヌエ) 9:猫又 10:龍
11:のっぺら坊 12:人面樹 13:足洗い屋敷 14:狸 15:送り拍子木
16:灯りなし蕎麦 17:片葉の葦 18:おいてけ堀 19:落ち葉なしの椎

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1:ろくろ首
2:提灯小僧
3:天狗
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5:一つ目小僧
6:河童
7:九尾の狐
8:鵺(ヌエ)
9:猫又
10:龍
11:のっぺら坊
12:人面樹
13:足洗い屋敷
14:狸
15:送り拍子木
16:灯りなし蕎麦
17:片葉の葦
18:おいてけ堀
19:落ち葉なしの椎
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