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※鳥山石燕 「図画百鬼夜行」
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日本の妖怪 
(ヌエ)
 妖怪としては昔からメジャーだったが、昨今ではとんと御目に掛からなくなったのが「鵺」(ヌエ)という妖怪である!

 小鳥の中で鵺の名を持つものがいるが、これは虎鶫[トラツグミ]という全長30センチほどの大型のツグミ科の鳥で、夜中に山間部でヒョーヒョーと気味悪く鳴くことで知られる。
 そのため「夜・鳥」で「鵺」となったとされる。しかし一方では、深夜に鳥の姿で死者が舞い戻る言い伝えから、非常に縁起が悪いとされて「地獄鳥」とも呼ばれて忌み嫌われた。

 では妖怪の鵺はどうかというと、『平家物語』を読むかぎり、平安京の「紫辰殿[シシンデン]」の真上に黒雲に乗って現われ近衛天皇を苦しめたとある。そのため源兵庫守頼正に鵺退治の勅命が下り、黒雲と共に現われた鵺を弓で射落としたのである。
 落ちてきた鵺を見て人々は恐れおののいた。その姿は猿の頭を持ち、狸の胴体、虎の手足、蛇の尾をもつ異形の姿をした怪物だったからだ。

 しかし、天皇を苦しめたとあるのに、その遺体の扱いは特別なものだった。鵺の体を「空舟[ウツボネ]」に入れ、川に流したのである。そして鵺の遺体を入れた空舟は芦屋浦に漂着し、そこで大切に墓に葬られたとある。
 学者たちは鵺については、そのまま縁起の悪いトラツグミが射落とされ川に流されただけと解釈するが、カッバーラ(ユダヤ密教)的見地から見るとそんな表面的な解釈では到底真相を語っていないことになる。

 既にお気づきとは思うが、昔に遡るほど陰陽師や風水師を言うまでもなく、日本はカッバーラに精通した者らが支配していた。実際、カッバーラを理解していないと本当の日本史は語れないと言っても過言ではない。

 ではそのカッバーラ的見解から鵺の正体を明らかにしてみよう。
天皇の御在所である「紫辰殿」とは、聖徳太子のブレインとされる秦河勝が支配した中心部のことで、実際、そこには河勝の屋敷があり、有名な右近橘と左近桜が植えられていた。
 平安京の地図を見るまでもなく、「紫辰殿」の敷地「大内裏」は正確に東西南北を示している。つまり地の四方を具象化していたのだが、これは四面の顔を持った神の戦車「メルカバ」を表現する。
同時に東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄部を示した「四神相応」の構図を示している。俗に言う「風水」のことだが、四神を配置したため「四神殿」とも言う!

 その四神が合体した架空の生き物の正体が「鵺」だったのである!!

 しかし、実際の鵺の記載は四神が合体したものとは微妙に違う。じつは鵺は四神だけではなく、「奇門遁申」や「呪術」が微妙にオーバーラップしているのだ。
大内裏の四隅(四つ角)である、東北(丑寅)、東南(辰巳)、西南(未申)、西北(戌亥)の動物も使われているのだ。狸は戌亥のどちらかで宛がわれたと思われる。

 更に言えば、空舟とは密閉された舟のことで、生き物で言えば中が空洞の「繭」のことを指すとされる。繭とは「蚕」のことで、蚕は秦氏が中心的に行った機織職に欠かせないもののことだ。実際、京都に秦氏の神社「蚕の社」があるのは御存知の通り。シルクロードとの関係を匂わせる

 更に『聖徳太子伝図会』には、欽明天皇の御代に、密閉された大瓶に流されて「三輪の社」に漂着した子供があり、瓶を割ると中から赤ん坊が出てきたが、その子はやがて秦河勝となった・・・とある。世阿弥の『花伝書』にも同様の記載があり、「桃太郎」伝説とも符合するが、妖怪の鵺とも不気味に符合してくる。
 というのは、兵庫県の芦屋付近は昔から「唐人漂着の浜」とされ、実際に漂着を記念する塚も立てられているからである

 よって鵺の正体とは四神のことであり、平家と源氏が台頭してきた時代にあって、カッバーラに通じた秦氏中の秦氏勢力(飛鳥説では忌部の末裔=藤原氏のこと)を削ぐ意味で作られた、武家側の巧妙な妖怪だったことになる。
 だからこそ源氏が鵺を打ち落とし、その物語が『平家物語』に記されているのである。

1:ろくろ首 2:提灯小僧 3:天狗 4:鬼 5:一つ目小僧
6:河童 7:九尾の狐 8:鵺(ヌエ) 9:猫又 10:龍
11:のっぺら坊 12:人面樹 13:足洗い屋敷 14:狸 15:送り拍子木
16:灯りなし蕎麦 17:片葉の葦 18:おいてけ堀 19:落ち葉なしの椎

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1:ろくろ首
2:提灯小僧
3:天狗
4:鬼
5:一つ目小僧
6:河童
7:九尾の狐
8:鵺(ヌエ)
9:猫又
10:龍
11:のっぺら坊
12:人面樹
13:足洗い屋敷
14:狸
15:送り拍子木
16:灯りなし蕎麦
17:片葉の葦
18:おいてけ堀
19:落ち葉なしの椎
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