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※享保年間(1716〜36年)に栄川典信が描いた河童。
限りなくグレイに近くなって行く。 |
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日本の妖怪 河童 |
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今回は日本の妖怪のアイドル的存在である「河童」をとりあげてみよう!
じつは河童の起こりには二説ある。
江戸初期の名匠で知られる左甚五郎が、神社の柱を彫るのにしくじり、川に柱を捨て流したところ、柱が物を言ったという。
「このしくじりをどうする気だ」
そこで甚五郎は「めどつ(河童)になれ」と言ったところ、柱は河童の姿になったという説。
もう一つは、杞憂壮大な河童の大陸渡来説である。
もともと河童はアジア大陸にいて、中国から朝鮮を経由して日本に渡来したという。上陸地点は北九州、そこから河童は日本全国に広がったという。
豊臣秀吉の命で朝鮮出兵に赴いた加藤清正が、朝鮮から戻る際に、河童を多数引き連れてきたという説がそれだ。
確かにすんなり聞いただけでは苦笑するしかないが、真相を知れば徐々に笑えなくなってくる。
じつは左甚五郎にしても、日本中で名が知られているにも関わらず、これほど謎に包まれた工の存在は無いのである。
大体が生没が一切不明なのだ。
姓も伊丹ともいうし、河合ともいって明確ではなく、出生地も播磨(兵庫県)というし、紀伊(和歌山県)ともいうし、讃岐(香川県)ともいい全くわけが分からない。
没年も、41歳とも、57歳とも、71歳ともいい、いくら何でも奇妙すぎるのだ。実際、これでは左甚五郎が三人いたといってもおかしくない。
徳川家康を祭る「日光東照宮」に、あれほどの作品群を残した伝説的名工の正体が一切不明というのは、あまりにも歴史的に異常なことなのだ。
その甚五郎の姓に”河合”の文字があるもの気になるし、出生地は何処も神道的な意味あいの深い土地柄ばかりで、秦氏の中心地と言ってもいい所ばかりだ。
それに、工の技こそ秦氏の十八番中の十八番ではないか。その甚五郎と河童が結びついている。
では次の大陸渡来説はどうかと見ると、ユーラシア大陸から朝鮮半島を経由して北九州に上陸したコースは、蒙古襲来もそうだが「魏志倭人伝」を記した魏の遣いも同じコースを辿っている。
いや、「記紀神話」まで時を逆上れば、神武天皇の日本制覇の時代にまで逆上ることもでき、江上波夫氏(東京大学名誉教授)の「騎馬民族征服説」にまで行き着く。
となると、たとえ神武天皇が象徴名であろうと、河童は神武天皇の頃に大陸から一緒に渡来したと言ってもいいことになる。
事実、河童伝説は江戸時代にピークを迎えるが、河童の記録は江戸時代から始まったのではない。鎌倉や平安時代、いや「記紀神話」の中にも記されているのだ。
よって、左甚五郎や加藤清正の時代より前から日本には河童が存在していたのである。
なのにどうして両者が河童の起源となって結びつくのだろうか?
仮に河童が朝鮮経由で渡来してきたとしよう。それなら北九州と朝鮮半島の中間にある対馬や壱岐にも河童伝説が残されていなければならない。
そこで思い浮かぶのが対馬の「河童騒動」(1985年)だ。
対馬に赴くと分かるが、対馬は二つの別の地質を持つ島が衝突し一対になった島で、正に対馬〔対島〕の名の由来通りである。そのため対馬は山が深く平地がほとんど無い。
奇妙なのは、現地では対馬の河童騒動がほとんど知られていないことだ。というより忘れられている。しかし、別の河童伝説だけは誰でも知っている。
それが「山童(やまわろう)」伝説である!
やまわろうは赤味がかった子供ぐらいの大きさで、対馬の山中深い川原に住む妖怪である。そしてその姿は河童とあまりにも酷似する。
しかし河童伝説が最も難しいのはこの先で、河童と神道(特に古神道)が人間として結びついている点なのだ。
実際、対馬には「住吉神社」や「八幡神社」等々の日本全国の主立った有名神社の発祥地なのだ。
河童と古神道・・・・そしてこれが陰陽道にも通じてくるのだ。
河童の語源は「漢波羅」と書いて「カンパラ」と読み、カッバーラ(ユダヤ密教)を意味することは前にも書いた。
じつは、空海(弘法大師)が中国から持ちかえった密教にもカンパラのことが記され、陰陽師が唱える呪詛にも「迦波羅」と記されている!!
そして陰陽道の発祥は中国大陸・・・そしてその大陸から渡来した河童ときては、話ができすぎている。
どうやら河童には二つの別の意味が重なり合っているようだ。
※享保年間(1716〜36年)に栄川典信が描いた河童。
限りなくグレイに近くなって行く。■ |
1:ろくろ首 |
2:提灯小僧 |
3:天狗 |
4:鬼 |
5:一つ目小僧 |
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6:河童 |
7:九尾の狐 |
8:鵺(ヌエ) |
9:猫又 |
10:龍 |
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11:のっぺら坊 |
12:人面樹 |
13:足洗い屋敷 |
14:狸 |
15:送り拍子木 |
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16:灯りなし蕎麦 |
17:片葉の葦 |
18:おいてけ堀 |
19:落ち葉なしの椎 |
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